ISO9001の最新版(2015年発行)の
規格の要求事項をみなさんにわかりやすく解説していきます。
これを読んで頂くうちに
「ISOって企業にとってあたりまえのことを要求しているんだ」と
感じて頂けるようになると思います。
それでは4.組織の状況より始めます。
「4.1 組織は、組織の目的及び戦略的な方向性に関連し、かつ
その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に
影響を与える、外部及び内部の課題を明確にしなければならない。」
「組織はこれらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し、レビューしなければならない」
まず、ここでは「組織の内部、外部の課題を明確にする」ことが要求されています。
その目的はその組織の企業戦略を立てるため(戦略的な方向性に関連し)
に、また成果を出すためにです。(意図した結果を達成する)
ここは、自社の現在の立ち位置を確実に把握するということです。
外部の課題には、その業界、地域の動向、日本経済の動き、世界経済の動きも
考えなくてはいけません。
実際、中国とアメリカの関税競争で大きなメリットがあった業界と、デメリットが
あった業界がでています。
また、オリンピック後の経済の動きも大きく変わると言われています。
これらの情報を収集し、自社の現在の立ち位置、取り巻く環境を把握しなければ
成果がだせる目標は作れません。
同様に、この後の6.1の規格では組織の脅威(リスク)、機会(ビジネスチャンス)も
明確にしなさいと言っています。
これら、自社を取り巻く環境を把握して、戦略的な企業活動がでいるのです。
また、この情報を「組織はこれらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し、レビューしなければならない」と
要求しています。レビューとは「見直し」のこと。
つまり、現在の情報は半年もすれば激変することでしょう。
ですからこれらの情報を常に最新の状態にしておく必要があります。
そこで「情報を監視し、レビュー(見直し)すること」が求められます。
弊社ではお客様に「SWOT分析」という手法を使って
強み、弱み、脅威、機会を洗い出してもらっています。
これで、真のその企業の状況を把握し、何を目的にして
展開すればいいのかが決定します。
この4.1をやることによって、その会社は何をすべきか、その方向に向かっていけがよいかが
明確に分かってきます。
これ企業にとっては当たり前のことですよね。